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Love Jossie「偶然の恋、教えます」story 13は
各電子書店にて配信が始まりました！
年内14話目も配信される予定になってます！
私は才能がないから、デビューするまでは数えきれないほど持ち込みに行ってた。
他の人ならたぶんとくにやめたと思う。
もちろん最初は５分～15分以内帰されたのはほとんどだった。
「センスがない」、「絵が上手くない」、「キャラの魅力がない」、「個性がない」
↑この４つの「ない」はかなり致命的なことだし、編集さんたちに常に言われたてた。
例え一日中３軒回って似てるようなことを言われたら、もちろん凹んだりはするけど、心を折れて持ち込みはやめることはなかったね。
基本漫画のダメ出しに関してはどうってことない。
もちろんあとでしっかり反省して努力して改善しなきゃいけないけど。
そんな中一回だけ持ち込みに行く時、編集さんにひどくバカにされたことがあった。
S社だけど、電話で持ち込みの予約をしたとき、男性の編集さんが対応してくれて、すごくフレンドリーの感じで、「あっ、良い人そうでよかった」と思ってた。ところが、実際持ち込みに行ったら、
態度がすごく悪くて、作品を読んだあと、「俺にはありえないね・・・もう帰っていい？」
彼はすぐ立ち上がって、かなり嫌味で「地方から来たの？・・・（ゆっくるの口調で）大変だね」って言って、そのまま去った。初めて持ち込みで怒りを覚えた。編集さんも人間だから、性格悪い人もいるわけだね。ちなみに、彼が読んだ作品が他のところに漫画賞に出したら賞を取った。彼が担当してた雑誌は翌年に休刊になったけど。
また一回持ち込みの予約をする時点から断られたことがある。B社で。雑誌で「持ち込み大歓迎！」って書いてたにも関わらず、電話したら、「来られても困ります」というとんでもない返事だった。そのとき、その雑誌の持ち込み用の読み切りを描いたから、どうしても読んでほしいって話をしたら、データで送ることになって、向こうに感想をちゃんと返すという口約束をもらったが、もちろん結局実行されなかった。
だからそういう意味でも作品をダメ出しされるぐらいはどうってことないよ。
またもう一個面白い持ち込み体験だけど、地方の漫画関連のイベントでいろんな出版社から出張編集部が来ていて、そのとき私もあっちこっち持ち込みに行ってた。
そん中A雑誌の編集長に作品を読んでもらう機会があった。でもその作品は編集長の好みでなかったでしょうか、「漫画家を目指すのやめたほうがいいと思いますよ」って言い出した。そのあと、私が仕事を辞めてアシスタントになったことを知ったら、彼はさらに「仕事を辞めたのは間違ってると思いますよ！」と。とにかく私はとても向いてないと思われてたわけ。
そして翌年同じ漫画関連のイベントで、その編集長はまた来た。「あの人に持ち込みに行くもんかっ！」と思ってて、とにかく彼以外ほかの出張編集部に持ち込みに行ってた。何軒回った後、帰ろうと思ったところ、会場でくさか先生に会った。
くさか先生：「全部回った？」
私：「ほぼ・・・」
くさか先生：「ほぼって全部じゃないじゃん！全部回りなさい！デビューしたいでしょう！」
くさか先生は私の腕を掴んで近くにたまたま空いてた出張編集部に私をほりこんだ。
あのＡ雑誌の編集長のところだった。
「うそやろう！？」と思いながらも「いやっ、一年ぶりだから、私のことは覚えてないでしょう・・・」と思ってたわけ。
ところが彼は「あなたは去年来ましたよね？」と。覚えてるかよっ！
漫画のダメ出しならはいいけど、また「漫画家を目指すのはやめなさい」とか言われたらいやだなぁ～と思いながら自分の作品を見せた。
そしてしばらく作品についてのダメ出しや意見を聞いていた。
しかし最後その編集長は「あなたは来年頃にはデビューできると思いますよ」って言ってくれた！
予想外の言葉だった！すごく嬉しかった！
その後何年も経ってようやくデビューを果たしたけど・・・
実はコロナ禍になる直前まで、いつデビューしてもおかしくないにも関わらず結局デビューできない状況が続いてた。
最後の持ち込みは昔の状況とはかなり違っていた。
編集さんに「本当にデビューしてないですか？どっかの雑誌を載ったじゃないですか？」って言われたりしてた。でも最終的に皆そろって「うちじゃないですけどね」と。
まだ時期じゃなかったか、運の問題か。
でも確かにもしそのとき「連載ものを描いてください」って言われても多分できなかったと思う。
もちろんLove Jossieでデビューのチャンスを与えられたときも、連載ものを描けると思ってなかった。
でも不思議なことに、やってみたらなんとかできたね。そんなもんか。
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