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漫画のアドバイスにピンと来なかった私・・・


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カナダにいた頃、通ってた高校の近くに日本の漫画を貸し出せる店があって、よくそこで漫画を借りて読んでた。何かの勘違いしたか、自分は漫画に詳しいと思ってたわけ。そして日本で漫画家を目指したとき、自分は平均の日本人より漫画を読んでないと初めて気付いた。もちろんネームの意味も知らなかったし、雑誌ごとにジャンルが違うのも知らなかった。少女漫画誌に普通に少年系な漫画を投稿をしたりしてたね。


前回の日記にも書いたが、漫画賞をひたすら応募してた当時から、絶望のダメ出しされてた。(センスがない、絵が上手くない、キャラに魅力がない、個性がない)

そのあと、くさか先生の元でアシスタントをしながら漫画を描き続けてた。先生も忙しいので、たまにネームや原稿しか見てもらえないが、よく言われてたのは「コマのメリハリが足りない」ってことだった。

「メリハリ?」どういうこと?コマの運び方やサイズのバランスってことでしょうね。つまりテンポ?先生に説明してもらっても、全然ピンと来なかった。例え言ってる意味がわかっても、直せるかどうか別の話だからね。正直、これを理解したのはデビューしたあとだった。

そしてもう一つ。「ネームがガチガチ」って。

なんか堅苦しい感じだったでしょうね。「肩の力を抜けて描いてみて」ってよく言われてた。これもピンと来なかったわ。あとで原因がわかってたが、実は先生と出会ったとき、先生は「ネームを書くとき、削る能力が大事よ」って言ってた。伸ばすのは簡単だが、削るのは難しい。創作する人にとっては、浮かんだアイデアやセリフは全部大事だと思うから。だからいらないコマやセリフはなるべく削らなきゃいけない。私はそれを忠実に実行してた。その結果、ページ数をかけて大事な場面を描かなきゃいけないシーンまでかなり省エネ的な感じになってしまった。それはまさに「メリハリがない」につなぐ。

だから「偶然の恋・・・」の一話目のネームを提出したとき、担当さんに「ストーリーはこれでいい。でも!ゆっくり描いてください。あとは1Pにあたて3~4コマまでにしてください」とアドバイスを受けた。担当さんのアドバイスはこれだけだった。でも今までピンと来なかったダメ出しはやっと理解した。もちろんもう少し才能があれば、もっと早く気付いたでしょうね。


漫画家を目指し始めてから漫画を描きだしてほぼ20年。(?)ネームをのびのび描けたのは連載が始まってからだね。毎回とても楽しく描いてる。本当に。


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